出し済みの日本版リリースを、海外向けに再配置する
すでに出した日本版プレスを、海外向けに再配置する手順と、直すべきポイントを解説します。
更新 2026-10-07 ・ PR PASSPORT編集部
海外PRを始めるとき、原稿が無くて止まる会社が多いです。実際は、出し済みの日本版があるなら、それを再配置できます。ゼロから書くより早い初手です。
再配置とは何か
再配置とは、同じ事実を、海外読者向けの順番と補足で出し直すことです。内容を偽ることではありません。
日付や数字を改ざんせず、説明の仕方を変えます。
手順

- 出し済みリリースを1本選ぶ
- 現地接点があるか確認する(無ければ一文足す)
- 見出し・リード・事実・補足に並べ替える
- 固有名詞と数字の定義を固定する
- URLから多言語ページを作る
- 生成後に3点チェックする
媒体への個別ピッチは、そのあとの選択肢です。先に「見に来られる」状態をつくります。
直すポイント
- 国内向けの長い背景を、補足へ移す
- 賞や制度名に一行の説明を足す
- 円表記の意味を補う
- 英語で返せる窓口を載せる
事実は守り、読み手の前提だけ変えます。
| 区分 | 向く例 | 向かない例 |
|---|---|---|
| 向く | 提携、拠点、製品公開など事実が明確 | 社内イベントの感想文だけ |
| 直す | 順番・補足・窓口を海外読者向けに | 日付や数字の改ざん |
| 残す | 検証できる一次情報 | 国内向けの長い背景をリードに残す |
向いているリリース / 向いていないリリース
向いているのは、提携、拠点、製品公開、現地出展などです。
向いていないのは、社内行事のみ、国内限定の募集のみ、根拠のない効果効能が中心の原稿です。後者は、元稿の段階で直します。
再配置でやってはいけないこと
- 載っていない実績を足す
- 「海外で話題」など根拠のない盛り
- 古い数字を新しいように見せる
信頼が先です。再配置は、正確さの上に成り立ちます。
再配置のあとに残すもの
再配置が終わったら、次を残します。
- 使った元リリースのURL
- 足した補足の一覧
- 言語別ページのURL
- 確認者の名前と日付
これがあると、2本目の再配置が早くなります。属人化を防ぐための、小さな運用です。完璧なマニュアルより、更新される一覧の方が役立ちます。
再配置と新規原稿の使い分け
再配置で足りるのは、事実がすでに揃っている発表です。新規に大きな提携が出た、規制の前提が変わった、という場合は、新規原稿の方が早いこともあります。
迷ったら、既存原稿の何割を書き換える必要があるかで判断します。半分以上なら、新規に近いです。それでも、固有名詞表と数字表は再利用できます。ゼロから始めるより、資産を持ち越す意識が重要です。海外PRは、単発の花火より、再利用できる情報基盤で差がつきます。再配置は、その基盤づくりの第一歩です。
日本企業向けの実務メモ
再配置は、同じ事実を海外読者の前提に合わせて出し直す作業です。日付や数字を盛り直す作業ではありません。正確さを落とす再配置は、信頼を移すどころか削ります。手順は、選定、接点追加、4ブロック化、用語固定、多言語化、3点チェック、です。向いていない原稿(社内行事のみ、根拠のない効能中心)は、元稿段階で直すか、対象外にします。再配置が終わったら、元URL、補足一覧、言語別URL、確認者を残します。2本目が速くなるだけでなく、監査や社内引き継ぎにも耐えます。海外PRを単発イベントにしないための、小さな基盤づくりです。
関連して押さえること
このテーマでは、完璧な大計画より、確認可能な一次情報を先に置くことが効きます。私たちが勧めるのは、既存のプレスを事実型に直し、多言語で見に来られる状態をつくる順序です。媒体への個別交渉はそのあとに回せます。売り上げや掲載を約束する文は書かず、読者が検証できる材料を渡すことに集中します。まずは1本、公開前の確認まで通してみてください。社内では、誰が固有名詞を通し、誰が数字を通し、誰が最終公開するかを決めておくと、再発防止になります。
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