「すごいです」をやめて、事実で書くチェックリスト

プレス原稿から誇張を減らし、事実で書くためのチェックリストをまとめます。

更新 2026-10-07 ・ PR PASSPORT編集部

海外向けプレスでいちばん多い修正は、「すごいです」系の表現を事実に置き換える作業です。気持ちは伝わりますが、記事の材料にはなりません。チェックリスト形式で直します。

危ない表現 置き換えの型 メモ
業界初 / 世界初 定義と検証できる差分を書く 検証できない初は避ける
圧倒的 / 革命的 / 最高 比較対象と指標を書く 感想はコメント欄へ
必ず載る / 売上が伸びる 書かない 約束に読める文は不可
みんな / すべて 対象範囲を限定する 全称は誤解を生む

まず消す・弱める言葉

次の言葉は、根拠がないと危険です。

使いたいなら、何と比べて初なのか、誰が測定したのかを添えます。添えられないなら削ります。

事実に置き換える型

事実ベースの資料を整えるイメージ

誇張を見つけたら、次の型に落とします。

  1. 何が始まるのか(機能、拠点、提携)
  2. だれが使えるのか(対象)
  3. いつからか(日付)
  4. 何が以前と違うのか(差分)
  5. 根拠は何か(数字、URL、第三者の事実)

この5点が揃うと、記者は記事の骨を作れます。

チェックリスト

原稿を読み返し、次を確認します。

1つでも空欄なら、翻訳前に埋めます。

コメントの扱い

経営者コメントは必要ですが、挨拶だけだと弱いです。「今後90日で何をするか」など、行動に触れると使われやすくなります。

ただし未確定の約束は書けません。言える範囲に留めます。

社内での使い方

広報だけが直しても、事業側の表現が戻ってきます。チェックリストを共有し、原稿の定義を先に合意します。

「かっこよく書く」より、「検証できる」を優先する合意が重要です。

効能・成果の書き方

ヘルスケアや教育、投資関連では、成果の言い切りに特に注意します。研究段階と提供中を分け、対象を明確にします。

「改善が期待できます」のような曖昧表現も、根拠が無ければ削ります。確認できる事実だけ残すと、原稿は短くなります。短いことは欠点ではありません。誤解が減ることが利点です。

チェックリストを公開前の門にする

チェックリストは、作って終わりにせず、公開前の門にします。1つでも空欄なら、翻訳も配信もしません。例外を認めるなら、誰が承認したかを残します。

現場は急ぎます。だからこそ、門が必要です。「すごいです」を残したまま多言語化すると、誤りが複製されます。逆に、事実だけ残した短い原稿は、どの言語でも壊れにくいです。短さを恐れないでください。海外の記者は、長い情熱文より、短い事実の方を助かります。社内の表現欲求と、対外の検証可能性を切り分けるのが広報の仕事です。

日本企業向けの実務メモ

「すごいです」を削ると、原稿が短くなり不安になることがあります。短さは欠点ではありません。検証できる文だけ残った結果です。社内の表現欲求が強い場合は、対外稿と社内向け説明資料を分けます。対外稿は事実、社内資料は想いで構いません。混ぜた瞬間に、海外向けの事故が起きます。特に効能、投資、採用、環境主張は、言い切りのコストが高い領域です。言えないなら、言える範囲の事実に落とします。チェックリストを公開前の門にし、例外は承認者を残す。この運用がある会社は、多言語化しても壊れにくいです。速く出すことと、雑に出すことを混同しないでください。

関連して押さえること

このテーマでは、完璧な大計画より、確認可能な一次情報を先に置くことが効きます。私たちが勧めるのは、既存のプレスを事実型に直し、多言語で見に来られる状態をつくる順序です。媒体への個別交渉はそのあとに回せます。売り上げや掲載を約束する文は書かず、読者が検証できる材料を渡すことに集中します。まずは1本、公開前の確認まで通してみてください。社内では、誰が固有名詞を通し、誰が数字を通し、誰が最終公開するかを決めておくと、再発防止になります。

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